テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

0001

「なかなかやるじゃねぇか…」

  “サブ(=副調整室)”でモニターを見つめる先輩作家のOさんが、ボソッとつぶやいた。
  モニター画面には、スタジオで爆笑を取ったお笑い芸人の誇らしげな顔が映っている。

  放送作家は、番組の台本を書くのが仕事だ。
  まあ、企画書を作ったり、ナレーション原稿を書いたり、取材に行ったりと、その他にも仕事は色々とあるが、基本的には日々台本を書いている。
  会議で決められた番組の進行や内容を文字に起こして、オープニングからエンディングまでの”流れ”を本にする。
   例えば、トーク番組ならばMCの挨拶コメントから始まり、ゲストの登場&紹介、トーク内容、想定される会話のやり取り、締めのコメントまでの進行、展開を書き込んでいく。

  ただ、番組の台本はあくまでベースに過ぎず、出演者は書いてあることを絶対に言わなくてはならないというルールはない。
  出演タレントがいわゆる”アドリブ”をかませることはしょっちゅうで、むしろいかに、気の利いたコメントをして、その場を盛り上げられるかが、彼らの腕、つまりは実力ということになる。
  売れっ子と呼ばれているタレントほど、そのアドリブが上手く、台本以上のパフォーマンスを発揮するのは言わずもがなだろう。

  今、スタジオではお笑い芸人による大喜利が収録されていた。
  大喜利は、与えられた“お題”に対していかに笑える回答できるかが勝負となる。

  内幕を明かすと、こうした場合、我々のような作家は会議で決めたお題に対しての“回答案”をいくつも台本に書いておく。
  芸人に対しては、番組の収録前の打ち合わせの時点ですでに“お題”は伝えており、各自に本番前までに回答を考えておいてもらうのだが、その際に台本を見せて、「こんなのもありますが…」と一応こちらで考えた回答案を示し、参考にしてもらうわけだ。

  もちろん、そうした回答案を使うか、使わないかは芸人次第。
  ただし、使う場合はあらかじめ「これでいく」という意志を、他の共演者に伝えておく必要がある。
  何故なら、本番で“答え”が被ってしまうというのは、バラエティ番組において最悪の展開だからだ。

  とある番組の打ち合わせで、チラっと台本に目を通しただけで、その場をすぐに去って行った芸人がいた。
  元々コンビでデビューしているが、解散後はバラエティ、ドラマ、映画、小説とさまざまな分野で才能を発揮している売れっ子芸人Aだ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事