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  昨年に27回忌を迎え、来年には生誕80周年を迎える美空ひばりさんの『さくらの唄』の未発売音源が発見され、生誕日である5月29日に初CD化されることが分かった。

  『さくらの唄』は、美空ひばりさんのシングルとして、1976年7月1日に発売された。
  作詞家・なかにし礼氏が実兄の借金を背負い込んだ後に歌詞を書き、作曲家・三木たかし氏が詞の内容を気に入り、曲をつけたもので、三木氏自身が歌い、1970年にシングルレコードとして発表された。
  残念ながらヒットとはならずに埋もれていたが、その存在を知った当時のTBSドラマプロデューサーの久世光彦氏が楽曲に惚れこみ、ドラマ化を企画し、その主題歌としてひばりさんにオファー。
  カバー楽曲をシングルとして発売することがほとんどなかったひばりさんが、シングル化したことでも稀有な名曲として知られている。

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  シングルの制作にあたり、今年2月初旬にマスターテープなどを確認したところ、担当プロデューサーが別バージョンの音源を発見。
  『さくらの唄』は3コーラスの楽曲で、ギターのアルペジオのみの歌唱に始まり、途中でストリングスが入ると、最後にはフルオーケストラ演奏のアレンジとなるが、今回確認されたマスターテープには、そのギター伴奏のみによるバージョンとカラオケ音源が収録されており、今回の発売に至った。

  なお、カップリングには同じくなかにし氏と三木氏による楽曲で、1988年のアルバム『不死鳥』の収録曲で、ひばりさんの東京ドームでのコンサートでも披露された『われとわが身を眠らす子守唄』が収録されている。

  作詞を手掛けたなかにし氏は、「この曲は借金を返しても返しても大変で、疲れ果てた時に書いた遺言のような歌。死を恐れつつも死に憧れた唄。とても暗い歌だけに、この曲がシングルとして発売されることは素直にうれしい。ひばりのレコーディングに立ち会った時、ひばりは本当にうまかった。三木は泣いて歌っていたが、ひばりはにっこり笑いながら歌う。慈愛の笑みで。その方がよく伝わった」と語っている。

  なお、今月29日には「第79回 美空ひばり 生誕祭」が浅草公会堂で開催される予定。

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