テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

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  「アイツは、なんで打ち合わせに来ないんですか?」

  それは、ある音楽番組での打ち合わせで起こった。 人気バンドのメンバーにトーク内容を確認しようとした時に、ギター担当のメンバーがそう口を開いたのだ。
  彼が言う“アイツ”とは、そのバンドのボーカルのことである。
 
  メジャーデビュー前のバンドというのは、苦楽をともにしてきただけあって、メンバー同士の結束は固い。
  お互いに「成り上がってやろうぜ!」という野心もあるから、その絆の強さは絶対だ。

  ところが、ひとたびメジャーデビューを果たすと、状況は一変する。

  こうしたバンドは、まずレコード会社の主導で宣伝活動が増え、急激にメディアへの露出が増える。
  自分たちの音楽を聴いてもらうのはもちろん、トークでも営業しなければならなくなる。
  レコード会社も、売り出し中のバンドに対してはかなりの先行投資をしているので、そうした傾向は必然とも言える。

  テレビの音楽番組に限って言えば、こうしたケースでトークを担当するのは、総じてボーカルになる。
  その理由は2つある。

  一つは、ファン以外の視聴者が彼らをテレビの画面で見た時に分かりやすいからだ。
  歌っている人=しゃべっている人と認知できる。

  そしてもう一つは、ボーカルはバンドの“顔”だけあって、ルックスもメンバーの中で優れているケースが多いからだ。
  イケメンの登場は、女性たちのザッピングの手を止める。

  しゃべる機会が増えれば、それだけ自分をアピールすることだってできる。
  そうなると、ボーカルの人気はメンバーの中でも俄然高まっていく。

  他のメンバーも、そうした人気面に関しては「仕方がない」と納得していることだろう。
  ボーカルが目立つということは、過去の著名なバンドを振り返ってみても周知の事実だからだ。
   だが、そこにお金が絡んでくると、他のメンバーの中にも「面白くない!」という感情が芽生えてくる。

  音楽業界における“印税”というのは、その取り分が複雑に分かれており、最終的にCD1枚あたりのアーティストの印税というのは、たったの“1%”ほどに過ぎない。
  しかし、楽曲を作った作詞家、作曲家は“著作権者”となり、その曲が使用されるたびに、“使用料”が入る仕組みになっている。
  要するに、パフォーマーであるアーティストよりも、作詞や作曲をする方がはるかに儲かるのである。

  当然と言えば、当然なのかもしれないが、メジャーデビューを果たした後、そのことを痛感するバンドメンバーは意外に多いはずだ。

  じつは、この人気バンドのボーカルは、自分たちの楽曲のほとんどを作詞、作曲している。
  つまり、人気面でも、経済面でも、ボーカルの一人勝ち状態なのだ。

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