テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

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  午後2時、夏の日差しが鋭く肌を射す中、オレはとある街で番組のロケを行っている。

  この日、撮影しているのは、タレントが街中をぶらぶら歩きながら、気になる店やモノ、人を紹介する、いわゆる“さんぽ番組”だ。
 
  こうした“さんぽ番組”はここ数年で一気に増えた。
  スタジオでセットを組む必要がないし、出演者もスタッフもそれほど多くの人数はいらない。
  つまり、お金がかからないというのがテレビ業界で流行っている一番の理由だ。

  ただ、現在この手の番組が増え過ぎて飽和状態にあるため、安易に似たような企画をテレビ局に出しても通りにくい。
  「さんぽはナシ!」と端から門前払いの局もあるくらいだ。

  “さんぽ番組”というと、タレントが気の向くまま、ふらっと吸い込まれるかのように店に入って、そこの店主と会話を楽しみ、自慢の料理を堪能するなんて光景が、おなじみとなっている。
  視聴者は当然、番組で取り上げる店側とは事前に打ち合わせ済みで、ある程度どんな話をするのか、どういうシーンを撮るのか、どんな料理を出すのかなど決まっていると思っているのではないだろうか?

  しかし、最近の“さんぽ番組”は、じつはこうした“仕込み”がほぼなく、いわゆる“ガチンコ”で撮影に挑むケースが多い。
  もちろん、あらかじめタレントが訪れそうな場所で、絶対に許可を取らなければならない場合は、事前に許可取りを済ませておくこともあるし、店側と打ち合わせをすることもある。
  それでも、タレントの誰が来るのかなどはあえて伝えないということもある。

  ゆえに、そのタレントが現れたときの、店側のリアクションはリアルな素のままだ。
  現在の“さんぽ番組”は、タレントの自由な行動と、面白いモノにアンテナが立つかどうかの“センス”や“嗅覚”に、すべてがかかっていると言ってもいいだろう。

  反面、こうした予定調和のない企画はハマった時は良いのだが、演出を担当するディレクターの立場で言わせてもらうと、運任せの部分も多く、常に不安がつきまとう。
  演出する側としては、撮影前にある程度、番組全体をどう構成していくかを考えるのが常だからだ。

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