テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

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  午後5時過ぎ、オレは子役タレントのオーディションの会場にいる。
  芸能事務所や子役専門のプロダクション、劇団、キッズモデル事務所から集められた子供たちが、一人ずつオレたちスタッフのもとに呼ばれ、さまざまな質問に答えている。

  さすがに事務所に所属しているだけあって、みんな行儀良く、ハッキリとした口調で返答し、何かと“そつ”がない。
  一瞬、難関私立小学校のお受験会場かと思ってしまうほどだ。

  そんなデキのいい子供たちの姿を見て、普通は微笑ましく思うものだが、横にいるプロデューサーの顔が曇っているのを、オレは見逃さなかった。

  というのも、オレ自身も彼が思っているように、どの子も代わり映えがしないと感じてしまっていたからだ。

  子供とは本来、人間として未熟なのは当然として、やりたいことだけを自由にする生き物だ。
  体の中の“元気”を持て余し、外に放出させているくらいの方が、ちょうど良い。
  大人にはないその“自由さ”に価値がある。  

  しかし、今、目の前に次々と現れる子供たちは、そういった“自由さ”や“子どもらしさ”をまったく感じられないのだ。

  とくに、バラエティ番組の子役タレントに対しては、決して周りの空気を読むことを求めていない。
  あくまで普通の子供としての“振舞い”や“言動”にこちらは期待している。   大人が入れ知恵したところで、ただ不自然に見えるだけなのである。

  おそらく、こうすればオーディションに受かるというようなマニュアルがあるのかもしれない。
  何しろ、子役タレントを目指す子の親はとても熱心で、受かるためなら何でも取り入れるという強い気構えがあるからだ。

  後日、プロデューサーから連絡がきた。
  オーディションに落ちた親から抗議が来ているという。
  半ば責任を押し付けるように、「対応しろ」と電話番号を告げられ、電話は切られた。

  仕方なく、連絡してみると、先方の母親は当初こそ大人しく、何故自分の子供が選ばれなかったのかを聞いてくるだけだった。
  だが、5分を過ぎた時点で、いかに自分の息子が素晴らしいかをやや興奮気味にまくしたてはじめた。

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