テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

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  午前11時半、オレはBS放送の番組の会議に出ている。

  民放各局のBSデジタル放送がスタートして、かれこれ15、16年になるだろうか。
  当初は、「見る人いるの?」と揶揄されたものだが、ここ数年で中高年や高齢者の視聴習慣がついたように感じる。

  分単位で視聴率を競う地上波放送と違い、CM前のあおりやテロップ、過剰なナレーションもほとんどなく、ゆったりとしたテンポで“旅や“グルメ”、“歌”、“ドラマ”、“スポーツ”、“趣味”、“ニュース”といったコンテンツが並んでいる。
  そのあたりが、地上波の番組に飽きていた中高年や高齢者にハマった。

  そんなBS放送のエポックメイキングと言われたのが、2年前からはじまった機械による視聴率調査だ。

  以前は、郵送でのアンケートで各局の視聴動向を調べる“BSパワー調査”を、ビデオリサーチ社に委託して行ってきた。
  それが、地上波と同じように機械による調査を行うことになり、視聴者の年齢層や視聴率も5分単位で分かるようになったのだ。

  つまり、よりきめ細かな数字が出ることで、広告効果を計る指標がハッキリするようになった。

  表向きBS各局は、これまで通り地上波と差別化した、大人向けの落ちついたコンテンツを中心に放送するとしているが、やはり“数字”が絡んでくると、そうもいかない事情が出てくる。

  以前なら「BSなので数字を気にせず、好きなことやってください」といった、半ば牧歌的な雰囲気もあったが、今や売れっ子タレントが看板の番組でさえ、数字が悪ければ終わってしまう。
  地上波と比べるとBS全体の視聴率も低いので、いささか気の毒な部分もあるが、テレビ業界では数字がすべてなのだ。

  確かに、BSの番組の中では視聴率が1%にも満たない番組も多い。

  しかし、地上波から追いやられたプロ野球中継などは3%近い数字を叩き出し、放送回数こそ少ないものの、BSの中では優良コンテンツとして復活している。

  同じように、予算がかかる割に数字が取れないという理由で、地上波から姿を消した時代劇も、再放送ながら、新天地(=BS)で、高齢者を中心に人気を集めている。
  まさに適材適所である。

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